3Dプリンターといっても色々な印刷方式があり、気軽に家庭で使用できるものから製造業などのメーカー向けの高性能なものまで種類は様々です。
そして、印刷方式が変わればまた必要な材料も変わってきます。
印刷したいものや用途に合わせて機械を選ぶのはもちろん、適した材料を選ぶことも必要になってきます。
ここではもっとも一般的な「フィラメント」についてご説明します。
フィラメントとはFDM法や材料噴射(マテリアルジェッティング)の3Dプリンターで、立体データを出力するために用いる材料のこと。
通常のパソコン用プリンターでいうインクと同等の役割を担います。
フィラメントは一般的に細長い糸状をしており、リールに巻きつけた状態でグラム、またはキロ単位で販売されていて、豊富にある種類やカラーの中から造りたいものに合わせて選びます。
フィラメントがないとインク切れと同じことなのでプリンティングすることができず、3Dプリンターの造形には必要不可欠な材料といえます。
3Dプリンター用の材料として最も使用されているのはプラスチックです。
そのプラスチックの中でも、大きく分けて「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の2つがあります。
■熱可塑性樹脂・・・加熱すると液体となり、再び冷やすと個体に戻ります。そして再度加熱するとまた液体に戻ります。このことから再利用しやすいというメリットがあります。
■熱硬化性樹脂・・・最初から液体の状態で、加熱することで個体になりますが、再度冷やしても液体に戻ることはありません。
このことから、家庭で使用するプリンターで使いやすいのは、「熱可塑性樹脂」であり、その素材は「フィラメント」と呼ばれる糸状の細長い形状をしています。
フィラメントには様々な種類があり、それぞれ造り出すものの用途に応じて選ぶ必要があります。
中でも一般的なものは以下になります。
■ABS樹脂
含まれる成分により耐熱性や機械的強度、ゴム特性や耐衝撃性、加工性などに優れているため、強度を持たせたいものを造るのに適しています。
また後加工や塗装がしやすく、扱いやすいという特徴もあります。
比較的安価なのも嬉しいポイント!
■PLA樹脂
トウモロコシやジャガイモなどの農産物を原料としているので最終的に二酸化炭素と水に分解されることから、環境に優しい材料として注目を集めています。
造形中の嫌なニオイが少なく、熱収縮も少ないので扱いやすく、初心者でも安心して使えます。
大きめの造形物をプリンティングするのにもオススメです。
■PET樹脂/PETG樹脂
透明性があり、強度や耐久性、耐熱性にも優れています。
一般的にペットボトルの素材として知られています。
PETGはPETをさらに強化したもので、高い透明性があり、衛生面や耐熱性に優れています。
看板制作にはABSやPLAが向いているかと思われますが、まだ他にもたくさんの種類があるので、プリンティングするものに合わせて適切に選んでいきましょう。